カンボジア自立教育支援型のNPO法人を設立する事を決意!
前回4度目のカンボジアを訪問した際に今の支援の形ではダメだと思った。
自分の想いを伝え力になってくれるクセのある10人の理事を招集!(笑)

物資やお金の支援をする事で、その日の、数日、数ヶ月の命を救えるかもしれない。
その時は子供達も大喜びしてくれるし、支援している自分達も気分が良い。


でも、それはあくまでもその場しのぎであって、未来には繋がらない。
『これって王宮前で物乞いしている子供に1ドルあげてるのと同じやん』

別に悪い事をしてるわけじゃないけど、ちょっと空しい気持ちになった。
本当の支援ってナニ?
自分が子供達にどうしてやる事で、子供達の明るい未来に繋がるのか・・。
孤児院で子供達が話してくれた『夢』を思い出していた。
医者になりたい!
歌手になりたい!
会社の社長になりたい!

訪問する度に子供達が言ってくれるが、いつも違和感を感じていた。
それは選択肢が狭く、リアリティーに欠ける夢。
これって本当になれると思って言っているのか、言わされているのか、誰かのマネをしているのか。
例えば、日本の子供の場合、医者になるなら進学塾に行って偏差値の高い大学に行くし、歌手になりたいならカラオケBOXに通ったり養成学校とかに行くんだろうな・・。もちろん親に相談するとは思うけど、子供ながらある程度の覚悟と知識はあるんだろうと思う。
でも、カンボジアの子供達にはそれがあまり無い様に感じている。
あるい意味、なれるなれない御構い無しで夢を語っているカンボジアの子供達はステキだと思う。
一切の迷いが無い(笑)
日本の子供達も自分の可能性を信じ夢を持って何事も頑張って欲しいと思う。
カンボジアの子供達が語ってくれる夢に選択肢が少なく、リアリティーを感じないのはナゼ?
たぶん教育が遅れているカンボジアでは実績が少なく、それを導いてくれる知識が少ないって事だと思う。
『だったらその知識を伝えてあげればエエやん!』
これが自立教育支援型の法人を立ち上げたいと思ったきっかけになった。
でも、学校を作ったり、勉強を教えたりだけの法人ではダメだ。

だって貧困で教育をちゃんと受けていないカンボジア人には勉強をする意味と理由がわからない。
農業主体のカンボジアにとって子供達は大きな労働力のひとつ。


ポルポト内戦後に生まれ貧困に苦しむ親達には、大切な労働力である子供たちを、わざわざお金を払って学校に通わす意味も理由もお金の余裕もない。
『未来よりも今をどう生き抜くか・・。』
僕がカンボジアの貧困であろう村を数ヶ所訪れる度に感じるのがこの感覚。

うまく言えないけど動物的なたくましさを感じる。
『人間の生命力ってこんなに強いものなのか』
はだかで遊びまわるキラキラ目をしたカンボジアの子供達を見ていると、心の豊かさと、なぜか可能性を感じてしまう。



恵まれた環境で育つ日本の子供達って本当に幸せなんだろうか?
建築家の友人に学校の講師をしているヤツがいる。
先日会って話していたら、今の日本の若者は考える、創造する力が弱いと言う。また問題の回避力に欠けるとも言う。
当法人理事でもある科学の先生も、見て触れて考えて、子供達の創造力を育む様な授業をしている。
近年、日本の子供達の中で異常な理解しがたい事件や問題が多くなっているが、本来あっただろう動物的なたくましさや、病気で言うところの免疫力みたいなものが欠如しているのではないだろうか。
話しが少しずれましたが、生命力溢れるカンボジアの子供達に今必要なのは知識・学力。知識・学力があれば将来の選択肢も増え、農業だけに縛られる事無くご飯を食べて行ける可能性は高くなるだろう。またカンボジアの子供達のたくましさを日本の子供達にも伝える事ができれば、今よりももっとキラキラ目をした日本の子供達にも会えるかもしれない。
『相乗効果』
これはカンボジアの自立教育支援であって、日本の子供達の自立教育支援でもある。
この度立ち上げる自立教育支援型の『NPO法人 ま心』では、カンボジアの子供達が夢や目標を持って勉強できる様に、また高いモチベーションを持って勉強できる様な環境を整えていきたいと思う。
お金が無いからと諦めていた高校・大学への進学サポート。頑張って勉強した子供達が安心して働く事ができる職場サポート、環境が整った日本での留学や体験授業サポートなど。
きっと、夢や目標が明確になればカンボジアの子供達も今よりももっと勉強を頑張れるはず!
また、子供達が一生懸命勉強する事で明るい未来がある事がリアルに説明できれば、親御さん達の理解・協力も得れるだろう。
それが自立教育支援となり、カンボジア人のこれからの力になる。
会社も国も良くも悪くもするのは『人』である。
カンボジアが復興・発展して行くのに、今までの様なその場しのぎの支援は必要ないと思う。
これからはカンボジア人自身がカンボジアを明るい未来に繋げて行く為に勉強し、考え、行動して行く事が必要であり、それが貧困の解決にも繋がっていくと信じたい。
だから自分たちはその一歩を踏み出す為に応援ができればと頑張って行きたい。

